台湾での個展のこと、このことがきっかけである長女のことなど取材していただきました。
画集の問い合わせ先も書いてありますので
ぜひご覧ください!

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~記事内容~

32歳で他界した長女の「生きた証しを残したい」と、新潟市西蒲区の墨彩画家藤井克之さん(64)がこの夏、長女小百合さんが暮らした台湾と新潟の風景を自ら描いた墨彩画展を、台湾・台北市で開いた。日本語教師として日台の懸け橋になりたいと願っていた小百合さんを慕う台湾の知人らが開催に協力、克之さんは「娘が結んだ縁のおかげで形にできた交流の第一歩になったかな」とほほ笑む。

小百合さんは旅行での訪問をきっかけに台湾に移住し、2012年春から台北市の語学学校に日本語教師として勤務した。だが、翌年の夏に乳がんが分かり、帰国。新潟で抗がん剤治療などを受けたが、16年2月に32歳で亡くなった。
闘病中は台湾から多くの教え子や友人らが見舞いに駆け付け、亡くなった後も両親との交流は続いた。克之さんは、「台湾の皆さんは共に悲しみ、泣き言ばかりの私を時には叱責してくれた」と振り返る。
個展開催はそのうちの一人からの提案をきっかけに動き出した。克之さんは、まな娘を亡くして筆を執れなくなっていたが、小百合さんが生前「いつか台湾で個展を開いて」と話していたことが背中を押した。台湾で実行委員会が結成され、会場探しなどを担った。
克之さんは去年夏から4回現地に赴き、娘の足跡をたどった。友人から聞き取りながら、小百合さんが普段目にしていたはずの光景や好きだった店などを描き、約30点の作品を完成させた。「生活を追体験し、作品に描く中で娘を亡くした事実にも冷静に向き合えるようになった」という。
個展は7月27日~8月5日に台北市の田園城市文化事業ギャラリーで開かれた。台湾の風景のほか、小百合さんが生まれ育った旧巻町をはじめ、萬代橋や高田公園といった県内の風景などを加えた約50点を展示した。本県からも展覧会に合わせて小百合さんの友人ら約40人が訪台し、現地の人と交流。新たな関係も生まれている。
展示作品は画集にまとめ、台湾と日本で計千冊を販売する。収益は本県で学ぶ台湾の学生支援に役立てるつもりだ。克之さんは「娘が台湾に魅了されたのは人の温かさがあったのだろう。私たちもその温かさに救われた。娘の遺志を継ぎ、台湾にお礼を返したい」と話している。
画集のなどの問い合わせは藤井克之さん、090(4955)6449